ハテナ❓を大事にする授業 その2
ハテナ❓を大事にする授業 その2
どの教科の授業でも まず分からないことや疑問に思ったことを出し合います。
簡単な言葉でもその子にとって意味が分からなければ、授業にはついていけません。だからこそ、
「どこか分かりにくい所ない?」
から始めたいのです。
小学校3年の国語に新美南吉の「手ぶくろを買いに」という教材があります。
こぎつねが手ぶくろを帽子屋に買いに行く話ですが、ある子が、
「どうして手ぶくろなのに帽子屋さんに行くのかな」
と疑問を出してくれました。経験が少ない子どもにとっては不思議だったのでしょう。
私はそんなハテナ❓が出てくるとは思いもしませんでした。
この授業は子どもたちだけで進めていましたので、「みんなはどう思いますか?」というその子の問いかけに、懸命にグループで聴き合っています。そうして子どもたちから出てきたのが、
「手ぶくろ屋さんは見たことないけど、イオンに帽子屋さんがある。手ぶくろも毛糸で出来てるがあるし、帽子も毛糸で出来てるのがあるから、帽子屋に手ぶくろも売ってると思う」
という意見でした。
もし、ハテナ❓を出させていなかったら、その子は疑問を持ったまま、読んでいたはずです。
また、「サーカスのライオン」という国語の教材に
「いらっしゃい、いらっしゃい、入り口はこちら、オーラ、オーラ、お帰りの人はこっちだよ」
という一文があります。
出てきたハテナ❓の中に
「なぜ、入り口と言ってるのに、お帰りの人は言ってるの?」
という疑問が出ました。私はすっと読み飛ばしていましたが、この子は丁寧に文に言葉を読んでいたのです。
このハテナ❓もペアで考えてもらいました。そして、出てきたのが、
「次のサーカスが始まるから、今から入る人と、さっきのサーカスが終わって帰る人がいるから、混まないようになっている」
ということでした。
どちらの例も本文のメインの所ではありませんが、こうして子どものハテナ❓を大事にしていくことで、読みが丁寧に深くなっていきます。