算数 小数の指導3
算数 小数の指導3
小数の意味を理解させるためには、整数との違いを明確に理解させなければなりません。
前時で、3.4という小数を例にして、小数第1位について学習しました。
でも、これで小数が分かったのかというとまだまだなのです。
3.4のような一の位と小数第1位だけの小数だけしか触れていないからです。
0.8や5.4は小数だと分かっていても、21.3は整数だと考えた子どもが何人もいました。
「悩んでいる事はない?」
と疑問をいつも大事にしていたからこそ、掴めた事です。
これぐらい分かるだろうと、「ハイ!」と手を挙げた子に当てて進めていたら、そのつまずきには気づかない所でした。
なぜ21.3が整数だと考えたのかを聴くと、
「21.3は、十の位に2があるし、21は整数だから、整数やと思うけど〜、う〜ん、分からん」
「私は整数か小数か迷ってる〜、だってどっちもあるから」
と疑問を出してくれました。
「なるほど〜そう考えたんだね。この21.3は整数なのか、小数なのか、今の疑問、ハテナ?の意見をグループで聴き合ってごらん」
と返すと各グループでお互いの考えを出し合い、説明し合っていました。
全体の場で出してもらうと、
「21は整数だけど、21.3は、小数点がついてるやんか〜、だから小数やと思うねん」
「小数第1位に3があるやろ〜、せやから小数やねん」
と一生懸命にハテナ❓を感じている友達に説明してくれました。
悩んでいた子らに「どう?」尋ねてみると、
「うん、小数や!」「小数!小数!」
「なっとく〜!」
と大きな声で答えてくれました。
いろんな小数に慣れていく過程が必要なのです。
そこでたくさんの小数をノートに書いてもらう事にしました。
まず、黒板に四角のマスを2つ書き、間に小数点をつけます。
□.□
「今から1分あげるから、この□.□に好きな数字を入れて、いろんな小数を作りましょう!」
「では、よーいスタート!」
夢中になって書いています。
以前も紹介したピタリ賞があるからです。
「ハイ、1分!終了〜エンピツ置いて」
子どもたちは1分でもたくさんの小数を書いています。
「結果発表〜!」
ここで数字カードをめくって、当選番号?を抽選します。
だから、たくさん書いていた方が当たるのです。(何も賞品はないのですが)
「小数第1位は?・・・8!」
「よっしゃ〜!」
「一の位は?・・・5、だから?」
「5.8!」
ピタリの小数をノートに書いていたら当たりです。
次の問題は少し難しくします。
十の位と小数第1位に数字を入れて作ります。
□0.□
同じように進めます。
抽選すると60.4が当選番号でした。ピタリ賞はいなかったので、ニアピン賞を探します。
近い数を書いている子に発表してもらいます。
60.8と60.1がありました。
どちらがより近いかを考えることは、次時の小数の引き算につながります。
最後は、もっと難しくします。
3つの数字を並べて、小数点もどちらになるか最後に決まるからという問題です。
□.□□になるか、□□.□になるという事です。
相当たくさんノートに書いておかないと、近い数になりません。ちなみに当たる確率はどれぐらいだと思いますか?
3つの数字は、カードをめくって発表しました。
4と1と7が出たので417
小数点がどこにつくかで、数の大きさは、全く変わってきます。
一人を指名して私とジャンケンをします。私が勝ったら一の位に、子どもが勝ったら、十の位に小数点をつける事にしました。
結局、私が勝ったので、答えは41.7
一番近い小数を書いていた子がニアピン賞になり、一番たくさん書いていた子が
頑張り賞となりました。
こんなふうにすると、いろんな小数に慣れるだけでなく、小数点の位置についてもよく考える事が出来ました。