肌色?
🔴肌色?
昔、体や顔を塗る時には、「肌色」のクレヨンや色鉛筆を使っていたかと思います。
今はどんな表記になっているか、ご存知ですか?
うすだいだい(薄橙)やペールオレンジという表記になっています。
なぜ、表記が変わったのかと思われますか?
海外の多様な人種が暮らしている社会では、皮膚の色もみんな違います。
人種・個人差・日焼けの度合いによって肌の色は異なるのに、特定の色を「肌色」(flesh)と規定することはおかしい、「肌色」が標準であるというイメージを与えかねない、「標準」があれば、「標準からはみ出した人」が差別の対象になりかねないという人種差別に対する問題意識から、表記が変わりました。
日本でも、国際化が進む中、2000年前後から大手文具メーカーが協議の結果として「肌色」という表記を取りやめるようになり、日本人になじみやすい和名の「うすだいだい」という表記に至っています。
日本古来の伝統的な「肌色」という表記でいいという意見もあるようですが、調べてみると、江戸時代以前は肌色とは使っていなかったようです。
日本語には、素敵な色の呼称がたくさんあります。
よもぎ色、浅葱色、亜麻色など自然を大切にしてきた文化は大事にしたいものです。
しかし、子どもが国際結婚をして、孫にクレヨンをプレゼントした時に
「これ、肌色と書いてあるけど、私の肌の色とは全然違う」
と大好きな孫から哀しい目で聞かれたらどうでしょう?
単に表記だけの問題でもありません。
意識の問題だと思います。
🔵以前、園田雅春さんの講演で聞いたある学校での話です。
全校集会である6年生の女の子が、
「周りから地黒の肌の事をからかわれたり、笑われたりすることがつらい」
とみんなに訴えました。
シーンとなり、これまでいじわるをしていた子らが、
「悪口を言ってごめんなさい」
と謝ったそうです。
そんな中、1年生の女の子が手を挙げて発言します。
「おねえちゃんは!色が黒いのが良く似合う!」
つぶらな瞳でうったえた言葉がみんなの心に届きます。
登校班でずっと優しく手をつないで学校まで連れていってくれる6年生のおねえちゃんのことが大好きなのです。
だからこそ、色が黒いことをマイナスではなく、プラスとして感じているのです。
おねえちゃんは、今のまんまで大好きなおねえちゃんなんだと。
色の黒いおねえちゃんが大好きなんだと。
🔵 私の好きなザ・ブルーハーツというバンドの「青空」という歌の歌詞の一節です。
「生まれた所や皮膚や目の色で、いったいこの僕の何が分かるというのだろう」