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小学校教員の授業力アップや学級経営について紹介します

2年生 国語 詩を読もう

🔴2年生 国語 詩を読もう 

 

「いろんなおとのあめ」

「空にぐうんと手をのばせ」

 

 

◯2学期始めの単元です。言葉の響きやリズムを楽しみながら、詩を読み味わうために工夫が必要です。

 

 

◯この詩の授業の進め方にはいろんな方法があります。

 

 

 

(1)いろんなおとのあめ

 

①「はっぱにあたって ぴとん」「まどにあたって ぱちん」や「かさにあたって ぱらん」などの擬声語がたくさん出てくるので、音読をするだけでも充分に楽しめる詩です。

 

擬声語をどう音読するかを考えさせて表現を楽しむことができます。

「教科書を音読する前に、雨の音を丸で囲んでごらん」

「雨の音をどんなふうに読んだらいいかな?」と指示や発問をするだけでも音読を楽しむことができます。

 

 

②違う方法としては、教科書を使うのではなく、擬声語の所だけを空白にしたプリントを使って、考えさせても面白いでしょう。

 

「はっぱにあたって(      )」

「まどにあたって(      )」

「かさにあたって(      )」

「ほっぺたにあたって(       )」

「てのひらのなかに(       )」

 

◯「この雨の音はどんな音?」と尋ね、意見をたくさん出させてから、教科書を見て、比べてみてもいいかと思います。

 

◯その際には、教科書の詩の言葉が正解という形ではなく、子どもたちの出した言葉を肯定してあげることが大切です。クイズではないからです。

 

「先生はAさんの考えた言葉がステキだと思うよ」などの声かけはとても重要です。

 

 

③または、逆に雨が何にあたった音なのかを空白にして考えさせてもいいでしょう。

「(     )にあたって ぴとん」

「(     )にあたって ぱちん」

「(     )にあたって ぱらん」

「こいぬの(      )に ぴこん」

「(       )のしっぽに しゅるん」

 

◯どちらにしても、音はいろんな言葉で表現できる事を感じさせる授業となります。

 

 

◯教科書の音読から入ってもいいのですが、空白を考えることで、より擬声語に着目して、詩の世界に入り込むことができるはずです。

 

 

④また、自分なりのいろんな雨の音を考えさせても面白いかと思います。この詩の型を真似て一行詩を創ります。

 

例えば、「めがねにあたって じわん」とか、「先生のおなかに ぽわん」とかが子どもたちから出てきたら傑作ですね。

    そして、子どもたちが創った一行詩を組み合わせて、みんなで音読したら、クラスだけのオリジナルの詩が出来るはずです。

 

 

⑤音読活動だけに焦点を当てると、上記のような授業が出来ますが、この詩は読みを深めれば、音読が変わっていく詩でもあります。逆に音読を通して読みが変わっていく詩だとも言えます。

 

詩の始まりは、「あめ  あめ  あめ」と雨が三つ出てきます。

 

子どもたちの読みが深まっていくと、この三つの雨の読み方も変わっていくかもしれません。

 

 

また、「この雨の音は何?」という発問と「この音はどんな雨?」という発問とでは思考が変わってきます。

 

 

にわか雨、弱い雨、激しい雨、小雨、いろんな音の雨があるという子も出てくるかもしれません。

 

 

または、降り始めた所だからまだたくさん降ってないという子もいるかもしれません。

 

 

詩の内容の読み取りがメインではないにしろ、音読を繰り返す中で、どんなイメージがぴったりくるのかを子どもたちが意見を出し合えるレベルまで高められたらとも思います。

 

 

◯どんな感じでそんなふうに音読したの?と尋ねて、子どもなりに自分の考えを言えるようになっていれば充分かと思います。

 

 

 

(2)空にぐうんと手をのばせ

 

◯「でっかい おひさま つかまえろ」や「大波 小波 かきわけて」など、動きがあり、リズムのある言葉が、子どもの心をつかむ詩です。

 

①動作化をすることで詩のイメージが膨らんできます。グループで動作化をして、音読をさせてみると、多様な動きや表現が出てきます。その上でクラス全員でそれぞれが考えた動きをしながら音読してみるのです。

 

いきなりグループで考えるのが難しい場合、第一連は一斉授業で考えます。意見が何人かから出てきたら、みんなでその動きをしながら音読していくのです。

 

すると、第ニ連は、グループで行なうようにすると考えも出しやすいかと思います。

 

そして、第三連は、クラスみんなで手をつないで「だれかといっしょに手をつなげ」「ぐるっと地球をかかえちゃえ」とみんなで音読をして一体感を味わう形で行なえばいいかと思います。

 

◯この詩は、一人で音読するよりも友だちといっしょにリズムよく音読する方が向いていると私は思います。

 

 

②動作化をさらに広げて、振り付けやメロディをグループで考えて発表してもらう形にすると、多様な表現が出てきます。

 

他のグループの音読の発表を聞いて、新たな気づきもあります。そこでどんな読み方が面白かった?と問うことで詩のイメージを確かめることもできます。

 

 

③図工と合科的にして、大きな模造紙に「でっかいおひさま」や「でっかいくじら」「ぐるっと地球」をダイナミックに描いてみるのもいいでしょう。

 

絵を描くことで、詩の世界をさらに広げて音読も変化していきます。

 

 

◯いずれの方法にしても、この詩は細かい読み取りではなく、2年生ならではの元気を出して、音読を楽しむことが一番だと思います。

 

 

🔴二つの詩の音読を通して、詩の世界を味わうことが、二学期の国語の楽しいスタートにつながるはずです。

 

 

🔴好きな方の詩の暗唱にチャレンジすることもできるし、視写させることもできます。

 

 

🔴低学年で音読を好きにさせるには、このようなリズムのある短い詩がぴったりです。

 

 

◯短い単元ですが、子どもの力を伸ばすためにいろんな方法にトライしてみてはいかがでしょうか?