運動会の作文指導
🔴運動会の作文指導
◯運動会の作文をどんな形で書かせていますか?
◯指導をしないで書かせると、ほとんどの子は、開会式から始め、自分が出た種目の事を書き、赤組が優勝しました、うれしかったですというような文章になってしまいます。
◯まずは、一番心に残った場面、一番書きたい所を選ぶ所から指導をします。
◯運動会のいろんな場面を順に出させて、黒板に書いていきます。
◯開会式、徒競走、団体競技、綱引き、リレー、応援、閉会式、帰宅後などの中から一番自分が書きたい所を選びます。
◯運動会の一場面を切り取って書くということです。
◯出来事をひとくくりにしてまとめて書くのではなく、その時の様子がよく分かるように描写をするということです。
◯他は書かずにその場面の所から書き始めていく事を指導します。
◯例えば、徒競走ならどんな書き出しの作文になるでしょうか?
◯「ぼくは徒競走に出ました」と書き始めてしまうと、たいていの場合、「ぼくはがんばって走りました。でも2位でした。くやしかったけど、お母さんがほめてくれたのでよかったです」のような文章になってしまいがちです。
◯これまでの作文指導の記事でも紹介したように、見えたこと、聞こえたこと、心の中で考えたことを中心すると、書きぶりが変わります。
◯書き出しは、会話文や音をカギカッコを使った文から始めると、書きやすくなります。
◯「ちょっときんちょうしてきた」
と前の山ちゃんが振り向いて声をかけてきた。徒競走がもうすぐ始まるからだ。ぼくは全然きんちょうしなかった。入場門に並んでから先生の笛の合図で走ってスタートの所にみんなで並んだ。
「ドキドキドキ」
急に汗が出てきて心臓もドキドキしてきた。となりの鉄ちゃんが
「今日もオレが勝つからな」
と言ってきた。練習ではほとんど負けていて、一度だけしか勝っていない。
(負けたくない!今日はじいちゃんも来てくれてるし)
だんだん自分の番が近づいてきた。どんどん心臓の音が大きくなってきた。前の列がスタートした。
「山ちゃん!」
山ちゃんは、1位でゴールした。いよいよぼくらの番だ。
「よーい!パン」
ピストルの合図で思い切りスタートした。カーブではぼくが1番だった。
(やった!これで鉄ちゃんに勝てる)
と思った。すると、
「真司!がんばれ!」
じいちゃんの声が聞こえた。
(よしもう少しでゴールだ)
と思ったら、すぐ横に鉄ちゃんの姿が横目で見えた。ゴールテープにはほとんど同時に走りこんだ。
勝ったと思ったのに、2着だった。退場してから、じいちゃんに
「負けちゃった」
と言うと、じいちゃんはニッコリして、
「全力出してるお前の走る姿、かっこよかったぞ」
と言ってくれた。
◯こんなふう会話や様子をくわしく書いた文章例を示したり、2つの文章を比較させたりして、書く力の基礎をつけていくといいかと思います。
◯徒競走のことが書けたら、次に書きたいことを選んで書かせるといいかと思います。