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授業力アップ 学級経営

小学校教員の授業力アップや学級経営について紹介します

聴く力 その2

聴く力   その2

 

 

子どもの話す力と聴く力。

 

どちらが大切だと思いますか?

 

 

もちろん、両方つけたい力です。

 

でも聴く力は、学校であまり意識されていない気がします。

 

国語の聞き取りのテストぐらいでしょうか

 

子どもに聴く力を伸ばすためには、どんな ことが必要か、考えてみたいと思います。

 

先生の話や友達の意見をよく聴いているかを確かめることが、大事です。

 

そのためには、ペアで聴き合う活動をメインにしていく必要があります。

 

 最初は、なかなか聴き合うことが出来ないと思います。

 

だから、かんたんなことから始めます。

 

2年生で「おとなりの友達にお名前をきいてください」と言った時、聞けなかった子がたくさんいました。

 

クラス替えがあり、よく知らない子に尋ねることが、恥ずかしかったのでしょう。椅子の名札シールを見ていた子もいました。

 

その子たちにしたら、友達ではなく、ただとなりに座っているだけのよく知らない子という意識なのです。

 

聴き合う関係づくりは、人間関係づくりでもあります。

 

 

「誕生日はいつですか?」
「好きな食べ物は何?」
「休み時間は何をしていましたか?」

 

 少しずついろんなことをペアで聴き合ううちに打ち解けてきます。

 

ペアの話を聴くことができているかを確かめます。

 

「Aさんの誕生日はいつですか?」

ととなりのBさんに聴きます。

ちゃんと答えたら、

「よく聴いていたね〜❗️」

「聴けていたから、答えられたんだよ」

聴くことの大切を伝えていきます。

 

答えられない時は、

『もう一度Aさんに聴いてごらん」と返します。

 

 

 次の段階は、それをクラスの他の子にも広げていきます。

 

「今、BさんがAさんの誕生日を伝えてくれたけど、聴いていた?」

という形で、CさんやDさんに聴いていきます。

 

同じ答えをリボイスさせるのです。

そうして聴く力の土台を作っていきます。

 

こうしたやり取りをどの授業でもベースにして進めていくことで、聴き合う集団になっていきます。

 

 

また、

「今、先生は何といいましたか?」
と当てて答えてもらいます。


これが出来ていないと授業の内容がその子たちに届いていないことになります。

 

その状態で、いくら一生懸命に説明していても、徒労に終わります。

 

だからこそ、聴くことを重視していくのです。

 

 

話す人の方に体を向けて聴くこと。

みんなを見ながら話すこと。

誰かが話し始めたら、しゃべらずに聴くこと。

 

こうしたことをその都度、徹底していきます。

 

 

授業から離脱して、ずっと消しゴムに夢中になっていたり、となりの子と関係ないおしゃべりをしたりしている子がいます。

 

その時は、周りの子にやさしく指で肩をトントンして伝えてあげてと話をしておきます。

 

この指導を日常の授業で、積み重ねていかないといけません。

 

簡単に聴き合う力は育ちません。日々の繰り返しの中で鍛えていくのです。

 

 

そうしていくことでようやく、

 

「今、Eさんが◯◯◯と言ったけど、ぼくは◯◯◯◯だと思います」

 

「Fさんが◯◯◯と言ったけど、私はEさんが言った◯◯◯と考えに近くて◯◯◯です」

 

というような発言が出てくるようになるのです。

 

 

「ハイ❗️ハイハイ‼️」

と子どもたちが元気よく手を挙げている授業は、自分が言いたい❗️自分は分かっている❗️自分がしゃべりたい子らが活躍する形になりがちです。

 

その子たちには、別の形で力を発揮してもらえばいいのです。

 

まず、ペアで聴き合い、分からない子らに、困っていることを出してもらう。

 

みんなでその疑問を共有する。

 

そして、ペアやグループでもう一度考え合う。

 

もう一度全体でペア・グループで考えたことを出してもらう。

 

 

このような進め方をしていると、だんだんと聴き合う関係が育ってきます。

 

 

教師の研修会でさえ、全体では聴いていなかったり、意見が出にくかったりすることがあります。

 

だから、子どもにとっては、一斉授業をメインにするのではなく、ペアやグループの少人数でまず意見を聴き合い、全体に返していくという形をメインにする方がいいと思います。

 

 

これは、「学び合い」「学びの共同体」と言われている取組です。

 

 

ぜひ、授業に取り入れてみてください。

授業が変われば、子どもが変わっていき、クラスが変わっていきます。