茶髪について考える
茶髪について
先日、生まれつき茶色の髪の毛なのに黒染めを強要された女子高校生が提訴した事がニュースになっていました。
中学の入学式から黒染めするように言われ、学校行事に参加出来ないと言われていたこと、黒染めをして頭皮や頭髪に健康被害が生じ、身体的特徴を否定され精神的苦痛も受けた事で裁判になっています。
あまりにも管理的な指導になっている事に同じ教員ながら驚いてしまいました。
私も生まれつき髪の毛が茶色でした。子どもの頃は特に茶色が目立っていました。よく「茶毛」とからかわれたものです。祖母から「ひじきを食べたら黒くなる」と言われて無理矢理食べさせられていた記憶があります。
(今は白髪が増え、白と黒と茶色のまだらで薄くなった髪ですが・・・)
我が子も茶色でした。
中学や高校では、「割れ窓理論」という小さなことから生活が荒れ始め、非行に走る事例が多いことから、最初の段階で指導を徹底するという方法が取られています。
服装や髪型が生活の乱れにつながっていくケースが多いという考えからです。
子どもが金髪や茶髪に染めてきた場合、何かが背景にある事が多く、心配されるケースにつながっていく可能性が高いという事があります。
学校が荒れないために、生徒指導上、必要な部分も確かにあるのでしょう。
しかし、染めてきた子には、「地毛に戻しなさい」「染めると頭皮にも悪い」と指導している事と、生まれつき茶色の地毛を持つ子に黒染めを強要する事は、矛盾が生じています。
髪の毛の色、瞳の色、肌の色は、生まれもったものです。
生まれもったものを強制して変える事は、差別的な指導だと思います。
ほとんどの学校では、こんなやり方で生徒指導は行なっていないと思います。
一部のこうした行き過ぎた指導が報道されると、教育現場への風当たりが強くなる事を懸念します。
大多数の中学や高校の先生は、生徒が荒れて自分を見失い、自分で進路や可能性
を閉ざしてしまわないように、日夜努力されています。
多くの教員は、髪の色など何色でも構わないと個人的には思っているはずです。
でも、子どもの現実を知ると、茶髪や金髪に染め出すことは、ほとんどの子が道を外れてしまう事例が多い為に、その指導を懸命に行なっているのだと思います。
ねばり強く生徒と対話し、自分はどうしたいのかを揺れ動く思春期の生徒たちに伝えている教員が、たくさんいる事は知っておいてほしいと思います。