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授業力アップ 学級経営

小学校教員の授業力アップや学級経営について紹介します

マラソンタイム

マラソンタイム

 

 

たいていの小学校では、この時期の朝にマラソンタイムが行われているかと思います。

 

 

昔は「耐寒駆け足」という形で真冬にしていた所が多くありました。

 

 

身体を鍛えるための目的なのに、寒すぎて逆に体調を崩す子どもがいて、晩秋から初冬にかけて行なう学校が増えています。

 

 

子どもたちは、マラソンなのにスタートしたらほとんどダッシュで走っています。

 

 

すぐに疲れて止まったり、歩いていたりします。

 

 

どの学年でも自分のペースで走る事を指導しているはずですが、子どもにとっては、ペース配分は難しく、すぐに競走になっています。

 

 

先生たちもいっしょに走っています。

 

 

自分の健康の為に一生懸命に子どもそっちのけで走っている先生もいます。

 

 

私も昔はフルマラソンに出た事もありますし、ダイエットの為に走りたいのですが、膝や腰が痛いので歩いています。

 

 

でもそれだけの理由で歩いている訳ではありません。

 

 

若い頃からマラソンタイムでは走らずに歩きながら指導をしています。

 

 

それには理由があります。

 

 

新任の頃勤めていた学校のマラソン大会では、若手が子どもの先導を走ることが通例になっていました。若手が少なかったので、私が何回も走りました。

 

 

1年生から学年ごとに順番に走ります。

 

 

低学年はまだいいのですが、6年生のトップの子はかなりスピードも速く、私も必死でした。

 

 

沿道では保護者の方々が子どもたちに声援を送っています。余裕など微塵もありません。

 

 

何とか先頭の子どもの先導をし、ゴールしてへたり込んでいると他の先生から、

 

 

「先頭グループの後ろの子どもが2人転倒していたのに気づかなかった?」

 

 

と教えられましたが、そんな事を気づけというのは無理だと思いました。

 

 

先導で教師が走るよりも、子どもの様子を見る事の方が大切だと後の職員会議で意見を言った記憶があります。

 

 

マラソンタイムは、運動場を周回するので目は届きやすいのですが、私は反対回りに歩きながら、子どもの様子を見て声をかけていきます。

 

 

もちろん、子どもたちといっしょに走ってあげる事も大事です。苦手な子が頑張れるからです。

 

 

一周目は特に先頭でゆっくりしたペースで走ってあげるとハイペースにもなりません。

 

 

でも全員の教師が同じように回っていると、一人ひとりの様子は把握できません。

 

 

反対から回る事で子どもの様子を観察することが出来ます。

 

 

「最後まで同じペースで!」

 

「ゆっくりでもいいから自分の速さで」

 

「大丈夫?無理はしないで」

 

「ちょうどいい速さで」

 

 

「いいフォームで走ってる!」

 

 

「その腕の振りがいい」

 

 

と表情を見ながら声をかけていきます。

 

 

こうして指導をしていくと、速く走ったり、歩いたりせずに、自分のペースで走れる子が増えていくのです。

 

 

何のためのマラソンタイムなのか、誰のためのマラソンタイムなのかを考える必要があります。