命の授業3 命の線
命の授業3 命の線
🔴命について考える時、誕生日のことから始めます。
私は、誕生日は「おめでとう」と言ってもらう日でもあるけれど、「ありがとう」を伝える日なんだと話をしています。
自分を産んでもらった日なんだと。
それを忘れてはいけないと。
🔴命について考えさせる時、私は、黒板に一本の線を引きます。
0歳の誕生日からスタートするその線を学年の年齢まで伸ばしていきます。
これは「命の線」ですと。
そして、本当は命のスタートは誕生日ではない事を考えてもらいます。
オギャーと産まれてくる前、お母さんのおなかの中で守られて大きくなった事を子どもたちは思い出します。
2年生の生活科では、自分が産まれた時の事や小さかった時の事を家族に聞き、これまでの成長をまとめていく単元があります。
名前の由来や、赤ちゃんの時に病気をして家族が心配した事などを聞き取ってきます。
写真を貼ったり、絵に描いたりして、自分の成長をまとめていくのです。
冬休みの宿題として、聴いてくるようにしています。
子どもたちは、自分がどんな思いで育ててもらってきたのか、家族の願いや様々な出来事を聴く中で、一人で大きくなったのではない事に気づきます。
助産師さんにゲストティーチャーとして来てもらった事もあります。
お母さんのおなかの中で、どんなふうに大きくなっていくのか、いろんな月齢の胎児の人形を見せながら話をしてくださいました。
お母さんとへその緒でつながっている事、栄養や酸素をもらっている事などを分かりやすく教えてくださいました。
お産の様子も、様々な例を挙げて説明していただき、子どもたちからは、
「わたしもそうだった!」
「ぼくもお母さんから聴いた!」
などの声があがっていました。
そんな形で「命の線」の0歳の誕生日までの事、赤ちゃんの時の事、保育園や幼稚園の頃の事を考えていきます。
そして、「命の線」の先を考えていきます。
どんな人の「命の線」にも、必ず終わりがある事を伝えます。
長生きする人もいれば、病気や事故で短い線になる人もいる事を。
明日、交通事故でこの線が突然終わるかもしれない事を。
「死」を考える事が、「生」を考える事になります。
だからこそ、今を大切にして一生懸命に生きなければならない事を考えてもらうのです。
そして、どんなつらい事があっても、自分でこの「命の線」を終わらせてはいけないという事を伝えるのです。
つづく