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授業力アップ 学級経営

小学校教員の授業力アップや学級経営について紹介します

共に育つ②特別支援教育

 

🔴共に育つ②特別支援教育

 

 

 

◯子どもに力をつけたい、伸ばしたいという願いは、どの保護者も教員も同じだと思います。

 

 

◯それは障害の有無に関わらず、皆そうだと思います。しかし、お子さんに「障害」があった場合、ほとんどの親御さんが悩み、苦しみ、どう育てていこうかと苦労されています。

 

 

◯そもそも「障害」とは何なのでしょうか。その子の持つ特性を医学的な面から健常児と比べて「障害児」と診断されています。

 

 

◯しかし、「障害者」や「障害児」の親御さんだけが苦労をする社会では間違っていると思います。

 

 

バリアフリーという言葉がありますが、段差やエレベーターなどのバリアを誰もが使いやすいという意味で使われていますが、バリア(壁)はそれだけではありません。

 

 

◯人々の意識や社会の仕組みのバリア(壁)が問題なのです。「障害者」にとって、そのバリアが一番の障壁だと思います。障害は、「障害者」本人にあるのではなく、周りが作っているのです。

 

 

◯残念ながら、私たちの社会には「障害」のある人に対する差別や不合理な事がたくさんあります。

 

 

◯また、特別支援教育は、いわゆる「健常児」に近づけようと「障害児」の訓練や発達ばかりに目が行きがちです。

 

 

◯もちろん、出来なかった事が出来るようになる事は素晴らしい事です。ただ「出来ない事はダメだ」という考えに陥らない事が大切だと思います。

 

 

◯「自分で出来ない事があってもいい」はずです。誰もが他者の力を借りて生きています。

 

 

◯以前の勤務校に地域の学校に通わせたいという願いから、共に学ぶ選択を保護者がされ、自閉症のCくんが友達と楽しく学校生活を送っていました。

 

 

◯お母さんもその様子をとても喜んでおられました。「友達といっしょに過ごすことでCは成長してきました」とお母さんはいつも話をしていました。

 

 

◯ところが、大学院で特別支援教育の研究のために「内地留学」をされたベテランの先生が、Cくんの特別支援学級の担任となり、Cくんの様子が一変します。

 

 

◯その先生はCくんの力を伸ばす事に熱心になるあまり、それまでクラスの友達と共に学校生活を過ごしていたCくんを、別室でマンツーマン指導の様々なトレーニングをする方法を取りました。

 

 

◯ある日の掃除の時間、Cくんに訓練のような形で指導をされていました。

 

 

◯折り紙を細かく切ったものを廊下に撒き、ビニールテープで区切った枠の中にちりとりと小箒で集める練習を何度もしていました。

 

 

◯わざわざ撒いたゴミではない折り紙のカケラを集める行為は、掃除とは言えない、Cくんは混乱すると何度も伝えましたが、私の意見やお母さんの思いは、その先生は「専門家」としてのプライドからか耳を傾けてもらえませんでした。

 

 

◯それまでは友達の様子を自然と見ながら、チリトリも箒も使えていたCくんだったのです。

 

 

◯お母さんのせっかく地元の学校で近所の友達とのつながりの中で成長させたいという思いは、その先生の「熱心な指導」には届きませんでした。

 

 

◯次第にCくんは自傷行為が増え、髪の毛が抜け始め、拒食症になっていきました。

 

 

◯極端な例かもしれませんが、「力を伸ばす事」だけにこだわると、誤った形の「訓練」になってしまいます。

 

 

特別支援教育の担任は、子どもの発達を伸ばす事と同時に、如何に他の子とつながりを作るかの「専門家」であってほしいと思います。