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国語 想像力 魔法のテレビ

 

🔴国語 想像力 魔法のテレビ

 

 

◯3年生の国語で俳句を使って、想像力の授業をしました。

 

 

◯以前の記事で紹介した「魔法のテレビ」の説明をした後、一つの俳句の情景を想像しました。

 

 

◯「母の歌 せんたくものも すぐかわく」皆さんにはどんな情景が浮かびますか?

 

 

◯この俳句から「見えたもの」「聞こえたもの」「匂った香り」「感じたもの」を「魔法のテレビ」に映してもらいました。

 

 

◯すぐに出てくるものは、「お母さんの笑顔」「うきうきした歌声」「石けんの香り」「洗濯物が風でヒラヒラしている」などです。

 

 

◯その中でAくんは「こいのぼりが見えた」と発言しました。

 

 

◯他の子が母と洗濯物しか映していないのに、彼は俯瞰した視点からこの俳句の情景を想像したのです。

 

 

◯実はこの俳句は小学生が詠んだ俳句で季語はなくいつの季節なのか正解は分かりません。しかし、夏の暑い時や冬の寒い時期に、お母さんも歌いながら洗濯物を干してはいないだろうと考えることができます。

 

 

◯この俳句を読み込むと、春が一番ピッタリくると考えたのでしょう。

 

 

◯すると、高い所からお母さんの様子を「魔法のテレビ」に映して、洗濯物といっしょにこいのぼりも泳いでいる情景を想像したのだと思います。

 

 

◯私はこの意見に「すごい〜Aくんは周りの景色も映しているね!」と称えました。普段の授業ではほとんど聴いていないAくんの発言が嬉しかったからです。

 

 

◯すると、他の子らも「青い空に真っ白な飛行機雲が見える」「チョウチョがお母さんの周りを飛んでる」などと素敵な想像を出してくれました。

 

 

◯授業をしていて楽しい時はこんな場面なのです。

 

 

◯すっかり授業に身を乗り出したAくんはしばらくして「お団子!」と発言しました。

 

 

◯みんなは「?」となります。「どういうこと?」と返すとまたまた素晴らしい想像が返ってきました。

 

 

◯「だってお母さんは洗濯物を干した後、休憩するやろ?その時にホッとしてお団子食べてるねん」と発言してくれました。

 

 

◯みんなは「なるほど〜!」私は思わず「Aくん、天才!」と言いました。授業中寝ていたり、ずっと遊んでいるAくんもニッコリです。

 

 

◯ほとんどの子は「静止画」の想像をしているのに対して、Aくんは「魔法のテレビ」で俳句の世界の時間を動かしていたのです。

 

 

◯国語は苦手だと思われていたAくんの想像力が、「魔法のテレビ」の達人となった授業となりました。