社会科 日本の工業
社会科 日本の工業 1
工業地帯・地域の名前や特徴を覚える勉強した記憶はありませんか?
「これは、大事だから覚えましょう」と私も子どもの頃に暗記させられました。テストにもよく出ていました。
工業生産額の第1位はどこだと思いますか?
時代は移り変わり、昔に覚えた答えだとペケです。
中京工業地帯が一位で、阪神、瀬戸内、関東内陸、京浜・・・と続きます。
5年生の教科書は、2013年のデータなので、現在はすでに変わっているかもしれません。
社会科は暗記科目と思われていますが、そうではないのです。
上記のような事を覚えて、知識として持っていてもあまり意味がないと思います。
社会は、刻々と変化するのです。
基本的な用語の知識はもちろん必要です。
しかし、それよりも授業で大切にしたいことは、グラフや表、写真や地図などの資料を活用して考える力をつける事です。
資料を探し、そこから推察する力、疑問を見つける力をつけなければなりません。
なぜ?どんな?どこに?などのハテナ❓を考える事をベースにして授業を進めるのです。
工業地帯・地域はどんな所に多いのか?
なぜ内陸部の工業地域が発展しているのか?
資料から疑問や課題を発見出来る力をつけるのです。
しかし、教科書の文章には、疑問もその答えもほとんど記述されています。
これでは国語のように文章から答えを探す事になってしまいます。
とはいえ、教科書は基本的な押さえたいポイントが整理して分かりやすく記述されています。
最初の段階は、教科書に書いてある疑問からスタートしてもいいでしょう。
「なぜ海の近くに工業地域が多いのか?」
同じ内容でもいろんな方法の授業があります。
①本文から探す→「船を使って原材料や製品を運ぶことが多いから」と記述があります。
「なぜ速い飛行機で運ばないのか」
という疑問を引き出して、原材料や製品の種類を考え、重量や運送費の問題に気づかせます。
②教科書を見て、「日本の工業地帯」で気づいたこと、疑問に思ったことなどをグループで出し合い、ノートに書き出させます。
↓
グループから全体へ
グループで気づいた事をクラス全体で共有します。
グループでは、漏れ落ちていた大事な事に気づかせます。
グループから出てきた疑問をみんなで考えていきます。
③教科書を見ないで、工業地帯の地図だけをスクリーンやプリントを見せて「どこに多いのか」を発見させます。
いくつか出てくる中から、「なぜ海の近くに多いのか?」をグループで考えます。
写真を資料として提示しておきます。
そうして多様な考えを引き出してから、教科書で確かめていきます。自分たちで考えたことと教科書を比較するのです。根拠になるグラフなどの資料を見つけて、もう一度考えます。
教科書に記載されてない事柄を考えている場合も出てきます。
「すごい!君たちは教科書を上回った!超えたね〜」
と次へ発展させていきます。
④小単元を一つずつ1時限の授業で行なうのではなく、長いスパンで考えさせる方法です。
キーになる発問やポイントになる事だけをいくつかプリントなどに書いて配布します。
その問題を教科書や資料集から自分たちで見つけて、ノートなどに考えをまとめていく活動をメインに据えます。ペアやグループでの学び合いの力が育っていて、子どもたちの力が高まっていれば
出来ます。
他のグループとも情報交換をする時間も取ります。
45分のうち、進行状況を確認する場面も必要です。
また、毎回最後の5分ぐらいで出来る確認プリントをすると、自分たちが大事な事を押さえて、理解出来ているかを確かめることが出来ます。
教師が一つひとつ説明をしなくても、主体的に問題を解決していく活動をさせるのです。
子どもの実態に合わせて授業のやり方を工夫してやって見てください。