国語 大造じいさんとがん④第三場面
🔴国語 大造じいさんとがん④第三場面
🔶第三場面が一番のクライマックスの所です。
🔶読み深めるための主な発問です。
①つりばりの計略で生けどったがんが大造じいさんになついている様子が分かる所は?
(羽をばたつかせながら、飛びついてくる)
(今ではすっかりなついていました)
(鳥小屋から運動のために外に出してやる)
(口笛をふけば、どこにいても帰ってくる)
(じいさんのかた先にとまるほどに慣れていた)
🔶手に入れた時からおとりに使おうと二年もかけて慣れさせていた大造じいさんの執念が読み取れます。
②「おとり作戦」とはどんな計略なのか?
(口笛を吹いておとりのがんを小屋の方に呼び寄せ、ついて飛んできたがんの群れにりょうじゅうで撃つ)
③「さあ、いよいよ、戦とう開始だ」と言った時の大造じいさんの様子と心情は?
(小屋の寝床から起き上がりながらつぶやいたのか)
(小屋から空を見上げて言ったのか)(小屋の中でりょうじゅうを掴んでつぶやいたのか)
🔶東の空が真っ赤に燃えて、朝が来ましたという表現にも大造じいさんの心情が投影されています。
④【むねはわくわくしてきました。しばらく目をつぶって、心の落ち着くのを待ちました。そして冷え冷えするじゅう身を、ぎゅっとにぎりしめました。じいさんは目を開きました。「さあ、今日こそ、あの残雪めに、ひとあわふかせてやるぞ】
の所の様子と心情は?
(経験を積んでいる大造じいさんでも、興奮している)
(緊張していては失敗するかもしれないので、冷静になるために目を閉じた)
(にぎりしめましたという表現に大造じいさんの気合が分かる)
(冷え冷えするじゅう身と大造じいさんの熱い心が対比している)
(目をつぶったままでじゅうを握りしめている)
(目を開いた瞬間、ギラリとした光が宿っている)
(残雪ではなく、残雪めと表現されている事からも対抗心の強さが分かる)
🔶大造じいさんのかりゅうどとしての誇りが読み取れます。ここを充分に想像をして意見を出すことが、次のクライマックスの読みにつながります。
🔴大造じいさんの計略に思わぬ事態が起きます。予想もしてなかったはやぶさの出現です。
🔶狙われたおとりのがんを助けるために大造じいさんは口笛を吹きます。
🔴さらに思わぬ出来事が起こるシーンです。あの残雪がおとりのがんを救うためにはやぶさにぶつかっていきます。
⑤【大造じいさんは、ぐっと、じゅうをかたに当てて、残雪をねらいました。が、何と思ったか、また、じゅうを下ろしてしまいました】
この時の大造じいさんの様子と心情は?
(今が残雪を仕留めるチャンスだ)
(じゅうを下ろして大造じいさんは何と思ったのか?)
(こんな形で残雪を仕留めたくない)
(おれと残雪の闘いなのだ)
🔶次の「残雪とはやぶさ」の闘いの様子も同時に読み取る必要があります。
⑥はやぶさに立ち向かう残雪の様子と心情は?
(仲間の命は頭領であるオレが守る)
(いきなり敵にぶつかっていったと書いているから、残雪は救う一心のみでいったんだ)
(残雪の目には、人間もはやぶさもありませんでしたと書いているので、大造じいさんの存在にも気づいていた)
(残雪も少しは迷ったはずだ)
🔶子どもたちからは多様な意見が出てくるはずです。
🔵はやぶさとがんの違いを挿絵から考えさせる実践もあります。
🔶くちばしと爪の違い。はやぶさの方が圧倒的に強い事を気づかせるのです。
🔴その強いはやぶさに身を捨てて立ち向かう残雪。
【残雪は、むねのあたりをくれないにそめて、ぐったりとしています。しかし、第二のおそろしい敵が…】
⑦ここでの残雪と大造じいさんの様子と心情を深く想像させることが大切です。
(はやぶさの次はかりゅうどか。)
(もう飛ぶ力は残ってはいない。だがオレは頭領だ。逃げはしない。覚悟もできているぞ)
(残雪のむねは血が流れ白い羽も紅く染まっている)
(大造じいさんは駆けつけた後、ゆっくり残雪に近づいていき、正面で立ち止まっている)
(大造じいさんは睨んでいないと思う)
(何というやつだ。こいつは…)
(仲間のがんを助けるために)
🔴子どもたちから大造じいさんの心情の変化や残雪の様子についてのそれぞれの考えを出せるように、教え込むのではなく、ノートに考えを書いたり、グループで意見を聴きあったりする形で進めていくと良いかと思います。